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2015 年度 実施状況報告書

水疱性類天疱瘡における水疱維持・治癒機構に関する動的解明研究

研究課題

研究課題/領域番号 26461664
研究機関大阪市立大学

研究代表者

鶴田 大輔  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (90382043)

研究分担者 小澤 俊幸  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (50570602)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードヘミデスモゾーム / フォーカルコンタクト
研究実績の概要

水疱性類天疱瘡抗原であるBP180(type XVII collagen)がBP-IgG(水疱性類天疱瘡患者血清由来ヒトIgG)により1時間以内に内包化されることは既報告ずみである(Hiroyasu S et al. Am J Pathol 2013)。この内包化の後に補体が活性化し、好中球遊走、エラスターゼによる分解で水疱形成が行われる補体経路と、我々が見出したBP180-BP-IgG共内包化による接着阻害である非補体系路の2種が水疱形成に関与することが知られつつある。その後、別の研究グループからこの非補体系路において、BP180の内包化後にBP180のユビキチン化が生じ、その結果、プロテアソームによる分解が生じて不可逆的にBP180が分解されることが報告された(Ujiie et al. J Immunol 2014)。また、BP-IgGに加え、BP-IgEの病態への関与も複数のグループから報告されるに至った(Messingham et al. G Ital Dermatol Venereol 2016)。今回はこれを踏まえ、非補体系路でのBP180-BP-IgG内包化後のユビキチン化とそれにともなうプロテアソーム分解以外の炎症シグナルについて研究を進めた。前年度作成したBP-IgGにに加え、本年度さらにBP-IgEも作成しえた。この両者を培養ケラチノサイトに投与後、フォーカルコンタクトとヘミデスモゾーム構成蛋白の動態を検討するとともに、炎症シグナルについても調べることとした。現在までのところ、BP-IgG, BP-IgEともに両者のダイナミクスを変化させること、その際には決してこの両者がオーバーラップしないこと、細胞の遊走に影響があることが示された。そして、この両者により炎症シグナルが生じる可能性があることが予備実験で示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

大項目上、1)BP-IgG結合に伴うBP180エンドサイトーシスへのフォーカルコンタクト蛋白の代償機構の解明、2)BP-IgG結合により生じる水疱部での水疱維持機構の解明、3)治療に伴うBP-IgG減少により生じるびらん治癒機構の解明となっている。1)は前年度までにほぼ終了し、本年度も確認されている。さらに、BP-IgEについても検討がおこなわれている。2)については昨年度まで行えておらなかったが、本年度、炎症シグナルについても研究を始めることが可能となっている。3)は来年度の課題としている。このため、順調に進行していると言える。

今後の研究の推進方策

平成28年度に、炎症シグナルの検討を終了する。具体的には炎症性サイトカインの変動とそれを司るシグナル伝達経路を解明することとする。そして、近年盛り上がりを見せるBP-IgEの関与も踏まえたヘミデスモゾームーフォーカルコンタクト動態の関与への研究を広げる。一旦、濃度上昇したBP-IgGを速やかに減少させた折の、両者のダイナミクスについても調べることとする。概ね研究期間中に終了することが可能であると考える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 今日の診断指針ポケット版2015

    • 著者名/発表者名
      鶴田大輔
    • 総ページ数
      2103
    • 出版者
      医学書院

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公開日: 2017-01-06  

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