研究課題/領域番号 |
26461667
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研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
平本 恵一 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 助手 (90251793)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 紫外線 / 光老化 / 記憶・学習 |
研究実績の概要 |
UVAを1年間、眼もしくは背部皮膚に照射し皮膚に光老化を誘発させた。眼にUVAを長期照射すると、脳中のgp91phox の発現が増加し、gp91phox NADPH oxitaseよりROSが発生する。ROSは脳中のCRHおよびウロコルチン2を増加させる。CRHやウロコルチンの受容体にはCRHR type 1とtype 2が存在し、脳中ではCRHR type 2の発現が著しく増加している。このCRHR type 2は、肥満細胞からのヒスタミンの遊離を増加させ皮膚の光老化を誘導している可能性が示された。現在、ROSによるウロコルチン2およびCRHR type 2の増加のメカニズムの検討を行っている。 また、CRHおよびCRHR type 1の脳中の増加も認められ、ACTH/MC2R系の光老化への関与が考えられ現在検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
試験期間が長いため、サンプルの調整および分析に時間がかかったが、データが揃ってきたため順調に解析を行っている。当初はPOMC系とMC1R~5Rから光老化を解明していく予定であったが、さらに上流のCRHやウロコルチンも光老化に影響していることが新たに示されたため、CRH/ウロコルチンとPOMC系の光老化への相互関係についても検討を重ねる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
UVAの長期眼照射がgp91phox/ROSを介して脳中のCRH、ウロコルチン2、CRHR type 2を誘導することが示されたが、gp91phox/ROSがCRH等を誘導するメカニズムが明白ではなく今後の課題である。また、UVAの長期眼照射が記憶・学習能力を低下させるメカニズムの解明も随時検討していく。 最終的に脳内における光老化と記憶・学習の低下のシグナルマップの作製を行う。
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