研究課題/領域番号 |
26461675
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
松崎 康司 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (50322946)
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研究分担者 |
澤村 大輔 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60196334)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 表皮水疱症 |
研究実績の概要 |
a. 毛包周囲線維芽細胞の特徴 創傷治癒における毛包周囲線維芽細胞の働きを確認する。①C57BL/6マウスの髭、体毛から、実体顕微鏡を用い結合組織性毛包を分離、培養。②筋線維芽細胞で発現がみられるα-SMA、ビメンチンの発現、血管増生に関わるVEGFの発現をRT-PCR、ウエスタンブロット、ELISAで定量的に確認した。 b. 脂肪組織由来間葉系幹細胞の採取、機能解析 脂肪組織に存在する間葉系幹細胞を回収し、脂肪細胞、線維芽細胞への分化やサイトカイン・アディポカイン産生能力を解析する。①C57BL/6マウス鼠径より脂肪を採取、コラゲナーゼ処理後細胞を回収、培養。②FCM・ソーティングでCD31、CD45陰性、CD90、CD105、Sca1陽性の細胞を回収、脂肪組織由来間葉系幹細胞として培養した。③脂肪細胞誘導培地に切り替え、脂肪細胞への分化能があることを確認した。④培養中の培養液を用い、サイトカイン・アディポカイン産生をELISA解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、表皮水疱症患者由来の細胞を使い外力に強い人工的な真皮・脂肪組織を再構築する新規治療法を確立することである。現在まで、毛包周囲線維芽細胞、脂肪組織由来間葉系幹細胞をマウスから回収、培養し、その特徴を下記のように解析している。 筋線維芽細胞で発現がみられるα-SMA、ビメンチンの発現、血管増生に関わるVEGFの発現をRT-PCR、ウエスタンブロット、ELISAで定量的に確認した。FCM・ソーティングでCD31、CD45陰性、CD90、CD105、Sca1陽性の細胞を回収、脂肪組織由来間葉系幹細胞として培養、脂肪細胞誘導培地に切り替え、脂肪細胞への分化能があることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
1.毛包周囲線維芽細胞の真皮、表皮に与える影響の検討: 病変部への間葉系幹細胞投与によって生じるサイトカイン・アディポカイン刺激による線維芽細胞の影響を確認する。a. 毛包周囲線維芽細胞の細胞外マトリックス産生アディポカインに対する受容体の発現を確認後、アディポカインを添加し、ヒアルロン酸、コラーゲン、VEGF発現を経時的にRT-PCR、ウエスタンで定量的に確認。b. 毛包周囲線維芽細胞を下床とした3次元培養皮膚を作成、アディポカイン添加し3次元培養皮膚の作成表皮、真皮の形態学的変化を検討する。 2.VII型コラーゲンKOマウス皮膚の移植: 表皮水疱症の仔マウスに直接細胞を投与することは困難である。そこで、発症したマウス皮膚を免疫不全マウスに移植、その下床に細胞を投与し、水疱・びらん形成の軽減化を確認。① 生後1日のGFP(+)VII型コラーゲンKOマウス背部皮膚を免疫不全マウス背部に移植。② 植皮片下に毛包周囲線維芽細胞、脂肪組織由来間葉系幹細胞をそれぞれ1×106個投与。③ 植皮後のGFP(+)皮膚の形状を、in vivo imagingシステムを用い経時的に観察。④ 組織学的に真皮・脂肪組織の再構築について比較検討する。また、GFP(+)表皮下に線維芽細胞、間葉系幹細胞からのVII型コラーゲンの発現があるか確認する。
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