研究課題/領域番号 |
26461678
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
水芦 政人 東北大学, 大学病院, 助教 (20400369)
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研究分担者 |
伊藤 由美子 東北大学, 大学病院, 技術職員 (00375057)
相場 節也 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80159269)
木村 裕 東北大学, 大学病院, 助教 (90375056)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | hemeoxygenase-1 (HO-1) / RAG2KOマウス / common gamma鎖KOマウス / ILC1 / ILC2 |
研究実績の概要 |
本研究は、hemeoxygenase-1 (HO-1)の表皮の増殖分化および炎症における役割を明らかにすることにある。2年目である今年は、種々のハプテンに対する皮膚炎惹起におけるHO-1の役割を、HO-1 conditionalノックアウトマウス及びRAG2ノックアウトマウス(T cell, B cell, NKT cell欠損)とcommon gamma鎖KOマウス(T cell, B cell, NK cell, NKT cell欠損)におけるアレルギー性接触性皮膚炎モデルを用いて検討し、ならびに同マウスによるB16F10 melanomaに対する感作物質を用いた治療モデルの作成を行った。 単回塗布における耳介におけるサイトカインパターンと繰り返し塗布によるサイトカインパターンをmRNA発現で検証した結果より、innate lymphoid cells (ILC)1/ ILC2の関与を示唆する結果を得た。これらの結果を抗腫瘍免疫に応用できないか、B16F10 melanomaモデルを用いて検証している。現段階では、SADBEは腫瘍内浸潤リンパ球上の種々の活性化マーカーを調節し、抗腫瘍効果が上がることが分かっている。現在、HO-1のILC1/ ILC2に対する影響を引き続き、腫瘍、皮膚炎モデルの方法を用いて検証しており、現在、immunofluorecenceやフローサイトメトリーにより、一定の傾向を確認している。今後、これらハプテンによる接触皮膚炎による悪性黒色腫の増殖抑制効果に与える影響をHO-1の観点から検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に続き、皮膚炎モデルの作成およびハプテンを用いた悪性黒色腫治療モデルの作成に成功した。これらを用いて、皮膚炎におけるHO-1とILC1/ ILC2の関連を示唆する結果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後、各種KOマウスの腫瘍モデルおよび皮膚炎モデルにおいて、耳介および腫瘍内の各種サイトカイン、ケモカインの変化を検証し、担癌の有無による皮膚におけるハプテンに対する反応性を検証する。また、これらの転写因子、液性因子の変化が、どのレベルの細胞で生じているかを検証し、ターゲットとなりうる免疫担当細胞(ILC1/ ILC2、マクロファージ等)を決定する。ターゲット細胞を決定後、各種免疫調整物質の影響をin vivoで明らかにする。
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