Sykファミリーに属するSykならびにZAP70は、B細胞受容体、T細胞受容体、Fc受容体などのシグナル伝達に関与する分子で、細胞の活性化に必須の役割を担っている。我々は、強皮症のモデルマウス(皮膚硬化型慢性GVHDモデル)を用いて、Syk阻害剤の有効性について検討した。Syk阻害剤の投与にて皮膚硬化型慢性GVHDの改善がみられ、T細胞およびマクロファージからのサイトカイン産生が抑制された。また、強皮症患者末梢血B細胞ではSykのリン酸化亢進は認めなかった。以上より、強皮症患者ではSykのリン酸化亢進は認めなかったものの、強皮症マウスモデルからはSykが治療標的となる可能性が示唆された。
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