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2015 年度 実施状況報告書

胎仔期循環血液内の間葉系幹細胞を利用した遺伝性・難治性皮膚疾患の新規治療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 26461681
研究機関福井大学

研究代表者

知野 剛直  福井大学, 医学部, 助教 (20521397)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード間葉系幹細胞 / 末梢血液 / マウス胎仔 / 遺伝子治療
研究実績の概要

本研究の目的は、①マウス胎仔期E12.5-13.5の血液内のみに存在する万能性が高いPDGFRα陽性の胎仔期血液内間葉系幹細胞(Dorsal Aorta Mesenchymal Stem Cells(DAMSCs)(以下PDGFRα+DAMSCsと略す)を効率よく血液中から回収するシステムを構築し、さらに②難治性疾患のモデルマウスに、回収したDAMSCs細胞を投与することで通常のMSCよりも高い治療効果が得られることを明らかにし、難治性疾患の新規治療法の研究基盤を確立することである。
現在、PDGFRα+DAMSCsは効率良く分化誘導が懸かることが報告されており、さらに申請者らのグループは、大人のマウスの循環内に皮膚抽出液を投与することで血中のPDGFRα+間葉系幹細胞が血中に動員されることを以前に報告している。このため、E12.5-14.5胎仔時の循環系に皮膚抽出液またはPDGF-AA, BB等の遊走活性のある蛋白質を投与すれば、血中にPDGFRα+DAMSCsがより多く動員され、効率よくこの細胞が回収できることが考えられる。
本研究では、PDGFRα+DAMSCsを様々な難治性疾患モデルに投与して、その治療効果を検討したい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本実験では、マウス胎仔期末梢血から単核球を単離し、FACSを行い胎仔末梢血幹細胞の存在を確認する手技を獲得してから、応用研究(AMG3100、SDF-1、migration活性のあるrb等をマウス胎仔循環内に投与することで血中内間葉系幹細胞の増加させる)を行うことを主題としている。本年度も、本研究に使用する手技・条件設定を主眼に研究を施行した。昨年度は、回収した間葉系幹細胞をskin graft modelマウスに投与後に、植皮片の生着を左右する血管新生および炎症細胞浸潤などへの影響をFACSで解析するための手技確認を施行した。炎症を惹起した皮膚を回収し、コラーゲナーゼ・ヒアルロニダーゼ・DNaseで90min、37℃で処理し、皮膚片を細かく切り刻み皮膚片中に浸潤している細胞を回収、フィコールを利用して皮膚片中に浸潤している細胞のみを回収した。その後、Lineage, CD3, CD11bでFACS解析、ほぼ回収した細胞はLineage陽性であった。さらに、炎症を惹起した皮膚からtotal RNAを回収し、qRT-PCRを施行する条件設定(CXCL1,2,3,5,CCL2,20,CXCL1,IL-17A等)を行った。さらに、浸潤してきた炎症細胞をsortingする条件設定を現在行っている。すべて今後に本研究および教室の研究に使用する手技である。

今後の研究の推進方策

1、妊娠13日目マウス胎仔(P13 embryo)より末梢血を回収し、dish上で分化誘導(脂肪・骨・軟骨)をかけ、胎仔末梢血中のPDGFRα陽性間葉系幹細胞(PDGFRα+DAMSCs)の存在を確認する。2、P13 embryoの末梢血を回収し、胎仔末梢血中のPDGFRα+DAMSCsのpopulationをFACS(CantⅡ)にて測定する。3、P13 embryoから、胎仔末梢血PDGFRα+DAMSCsをsorting(Area)し、dish上で分化誘導(脂肪・骨・軟骨)をかけ、胎仔血液内間葉系幹細胞(DAMSCs)がPDGFRα+cellであり、分化能力が高いことを確認する。4、以前に報告した新生児マウス皮膚抽出液を精製する。市販されているmigration活性を有する蛋白質(PDGF-AA、PDGF-BB、bFGF、VEGF、IGF-1、BMB2、BMB4、TGF-β1、TGF-β3、HGF、IL-3、SDF-1a)を購入する。5、皮膚抽出液及び市販蛋白質をP13-14 embryoの循環血液内に投与し、PDGFRα+DAMSCsが血中に動員されて血液内に増えるか確認する(FACS CantⅡ)。6、皮膚抽出液及び市販蛋白質をP13 embryo(GFP mouse)の循環血液内に投与し、PDGFRα+DAMSCsをsorting(Area)し、1週間程dish上で培養し細胞数を増やす。

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公開日: 2017-01-06  

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