ホスホリパーゼCεを皮膚角化細胞特異的に強発現するトランスジェニックマウスを作成したところ、同マウスの皮膚には鱗屑、表皮肥厚、不全角化、好中球の表皮内浸潤など尋常性乾癬に類似した臨床的・組織学的変化が生じることを見いだした。In vitro でPLCεがプロテインキナーゼCのμ分子種(PKCμ)を活性化させることを確認した後、PKCμを皮膚角化細胞特異的に強発現するトランスジェニックを作成したが、同マウスの皮膚には尋常性乾癬に類似した変化が生じなかった。これらの結果から、角化細胞内PLCε過剰発現は尋常性乾癬様の皮膚変化を起こすが、この時PLCεの作用はPKCμを介さないと考えられた。
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