本研究では肝類洞内皮細胞(LSEC)によって、食物に対する免疫寛容が誘導されると仮定し、OVAを取り込んだLSECによって、OVAに対する免疫寛容が誘導されることをマウスモデルで証明することを目指した。しかし、OVAを取り込んだLSECをマウスの肝臓に移植することによって、免疫寛容ではなく、OVA特異的IgEが上昇するような現象が見られることもあった。LSECは細胞性免疫においては免疫寛容を誘導する抗原提示細胞とされているが、液性免疫の点においては必ずしも寛容を誘導しているとは言えず、むしろLSECが条件によっては食物アレルギーの悪化に寄与する可能性があるといえる。
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