遺伝子変異誘導蛋白AID(activation-induced deaminase)の発現を免疫染色で検討したところ、悪性黒色腫16例中10例でAIDが高発現していた。悪性黒色腫AID高発現10例中、9例にBRAF遺伝子に変異がみられ、うち8例はリンパ節、他臓器への転移症例であった。AID発現ベクターを人メラノサイトにトランスフェクションし、紫外線照射を行ったところ、8クローン中2クローンでBRAF遺伝子に変異が見られた。これらの結果から、AIDを強発現している悪性黒色腫症例は予後が悪い可能性が示唆され、今後悪性黒色腫の予後を占うマーカーの1つにAIDが用いられることが期待される。
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