生体リズムの異常と気分障害には深い関係性があることが指摘されているが、体内時計の異常が気分障害発症の一因であるかどうかはわかっていない。本研究では、気分障害の発症に深くかかわることがしられている海馬ニューロン新生に対する影響を調べ、その変化の分子基盤を明らかにすることを目的とした。その結果、Clock変異マウス躁病様行動異常が観察され、同時に神経幹細胞の増殖因子EGFに対する応答性が増強していた。また、神経幹細胞の増殖亢進には、Clockタンパク質が細胞周期関連因子の発現レベルに影響することに起因している可能性が示唆された。
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