研究実績の概要 |
人格特徴や幼少時期の養育環境などの心理的要因が寿命や様々な身体疾患の発症と予後に影響を与えると示されており、その生物学的な機序は明らかにするため、本研究では健常日本人を対象とし、人格特徴、対人関係敏感性、認知・態度の歪み、幼少時期の両親の養育態度がテロメア長に与える影響について検討する。 本研究においては、精神的および身体的に健常であるとスクリーニングされた日本人約1,000例を対象に、Temperament and Character Inventory(TCI)、revised NEO Personality Inventory (NEO-PI-R)、Interpersonal Sensitivity Measure (IPSM)、Dysfunctional Attitude Scale(DAS)、Parental Bonding Instrument(PBI)を用いて対象の包括的な心理学的要因を評価する。対象の末梢血液を採取し白血球より抽出したDNAを用い、テロメア長を定量的real-time PCR法により同定する。得られた結果より細胞老化に関与する心理学的要因を検討する。 上記研究計画に基づき、平成26年度は、対象の募集、TCI、NEO-PI-R、IPSM、DAS、PBIを用いた心理学的要因の評価、静脈血採血・DNA抽出、資料収集を行い、症例数は1000例を超えた所である、また、学会に参加し、情報交換を行った。本年度に得られた結果を3遍の英語論文として公表した。
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