DNAメチル化はゲノムに依らない遺伝子発現調整に関わる。本研究では、マウスの離乳後3-6週にDNAメチル化を維持するためのメチルドナーを欠乏した食事を用い、脳内DNA改変を促した。その後の行動変化と遺伝子および生化学的環境変化を調べた上で、その影響が次世代のマウスに生じるかをメチルドナー欠乏食を摂取した雄マウスの子ども世代で探索した。メチルドナー欠乏を持つ親の子マウスでは対照群と比して特に恐怖条件付けとその消去パラダイムにおいて違いがあり、海馬内遺伝子変化やモノアミン濃度の変化を伴った。親世代の脳DNAメチル化変化は次世代の行動や遺伝子発現、代謝物変化に影響を与えうることが示唆された。
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