本研究では、パニック障害の発症機序解明につながる成果を得ることを目的とし、ゲノム・エピゲノム双方の観点から研究を実施した。ゲノム研究では、ゲノムワイド関連解析のデータに基づいたパスウェイ解析ならびにヒト白血球抗原(HLA)の解析を実施し、パニック障害にHLA-DRB1などの免疫系に関与する遺伝子が関連する可能性があることを見出した。エピゲノム解析として実施したゲノムワイドDNAメチル化解析では、40か所の疾患関連候補メチル化部位を同定し、その近傍に存在する遺伝子は、リンパ球の活性化の制御に関するパスウェイを構成する遺伝子群などで、有意に割合が高いという結果を得た。
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