依存とは薬物嗜好にも新奇求性や社会性、強迫性、うつ・不安の易罹患性などの行動特性があるが、病態理解に基づいた薬物治療は存在しない。先行研究で明らかにした依存症関連遺伝子NrCAMは神経接着因子であるためNrCAMが依存の形成にあたり脳神経ネットワークを構築している可能性がある。本研究課題においてはまず、Nrcam遺伝子の低発現の有無および覚せい剤依存形成前後で変化する神経関連分子群を選出した。このうちの5つの遺伝子はコカイン依存形成により発現の違いが認められることを確認した。これらグルタミン酸神経系、GABA神経系およびドパミン神経系分子は依存症治療薬のターゲットとなる可能性がある。
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