本研究は、妊産婦を対象とした網羅的メチル化解析の結果から産後うつ病の診断法開発を目指したものである。末梢血より抽出したDNAサンプルを用いて、産後抑うつ群18例、非抑うつ群18例のメチル化強度の差を確認したところ、ゲノムワイド有意水準(p<1.3E-7)に達したメチル化サイトは確認されなかった。関連解析でp値の低かった上位1,000のメチル化サイトに着目し機能的な偏りに着目した解析を行ったところ、軸索誘導などに関連する遺伝子セットが確認できた。本研究の結果から、産後うつ病の診断法開発のためには、単一のメチル化サイトだけでなく、それらの機能的な偏りに着目した解析が有用であることが確認できた。
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