研究課題
平成28年度は、双極性障害患者20名および年齢性別を一致させた健常対照者23名を対象として、GE 社製のSigna 3T Excite を使用し、前部帯状回(ACC)と左基底核(ltBG)にsingle voxelを置き、STEAM法でGlutamate(Glu)およびGlutamine(Gln)を、GABAをMEGA-PRESS法で分離定量した。SPM8を用いて、voxel内の灰白質、白質、脳脊髄液の体積を測定し、それぞれの代謝物濃度について体積補正を行った。Pearsonの相関解析を用いて、薬物(炭酸リチウム血中濃度、バルプロ酸血中濃度、抗精神病薬のクロルプロマジン換算)とそれぞれの代謝物濃度の関連について検討した。その結果、炭酸リチウム血中濃度とltBGのGln/Glu比、バルプロ酸血中濃度とACCのGluに有意な正の相関を認め、薬物の影響が明らかとなった。この影響を除いて検討したところ、ACCでは対照群と比べ双極性障害群のGln/Glu比の上昇が明らかとなったが、ltBGでは両群の差が無かった(Kubo et al.J.Affect.Dis.2016)。GABAに関しては明瞭な差異を認めなかったが、詳細を解析し、論文作成中である。また、NMDA受容体のグリシン調節部位に対する部分アゴニストであるD―サイクロセリン投与によるグルタミン酸とGABA濃度変化の研究からは、前頭葉の安静時の機能連関に変化を認め、学会発表した(Ohta et al)。画像所見と遺伝子多型との関連や認知機能との関連は引き続き検討を続けている。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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