当該研究により、定型抗精神病薬であるハロペリドールと非定型抗精神病薬であるリスペリドンでは、前頭葉におけるKv3.1およびKv3.2の発現量に異なった影響をもたらすことが判明した。すなわち、Kv3.1タンパクはハロペリドール、リスペリドンの長期投与を受けたラットの前頭葉においてともに発現量の増加をもたらすが、Kv3.2タンパクは同部位においてハロペリドールの投与によって増加する一方、リスペリドンの投与では減少を生じる。また、小脳においてもKv3.2タンパクは同様に変化したが、海馬や視床、線条体においては変化をみとめなかった。以上の結果を精神神経学会学術総会にて報告した。
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