研究課題/領域番号 |
26461728
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
吉村 玲児 産業医科大学, 医学部, 教授 (90248568)
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研究分担者 |
中村 純 産業医科大学, 医学部, 非常勤講師 (40148804)
堀 輝 産業医科大学, 医学部, 助教 (50421334)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 精神薬理 |
研究実績の概要 |
脳由来神経栄養因子は神経可塑性(BDNF)に関与するKey moleculeである。BDNFは血液脳関門を通過する。うつ病では血小板及び脳内からのBDNF分泌が低下しており、健常者と比較して有意に血中(血漿・血清)BDNF濃度が低値である。BDNFはその前駆物質であるproBDNFから合成されるが、proBDNFも生理活性を有する。すなわち、BDNFがTrkB受容体に結合してシナプス可塑性に関与するのに対して、proBDNFはP75受容体に結合して神経細胞死(アポトーシス)に関与する。すなわち、BDNFとproBDNFは神経に対して全く逆の作用をする(Yin-Yan Hypothesis)。以上のことから考えると、うつ病では血中BDNFが低下、proBDNFが増加している可能性がある。本研究では、うつ病患者のproBDNF,BDNFの血清濃度を比較した。さらに、選択的セロトニン阻害薬(SSRI)(フルボキサミン・パロキセチン・セルトラリン)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)(ミルナシプラン・ジュロキセチン)治療のそれらへの影響も検討した。さらに、本研究の独創的な点はうつ病寛解後復職郡と未復職郡間でこれらのパラメーターに相違があるかの有無を検討している点である。もし、勤労者の服飾に関するバイオマーカーが見つかれば、復職の科学的指標として使えるし、勤労者のメンタルヘルスモニタリングにも有効なツールとなることは間違いない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在まで、大うつ病患者約200例をenrolledした。そして血液サンプルや臨床症状ならびにdemographic dataのcollectionも終了している。さらに大うつ病症例を蓄積する予定。 今年度の余情的結果として、復職郡では非復職郡と比較して血清BDNF濃度が有意に高値であった。しかし、血清proBDNF濃度は両群間に差はなかった。さらに、ハミルトンうつ病評価尺度17項目得点(HAMD17)も両群間に差は認められなかった。
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今後の研究の推進方策 |
1)血液サンプルからのBDNF,proBDNF,MMP-9の測定を行う。 2)臨床症状や反応・寛解との関連を検討する。 3)BDNF,proBDNF,MMP-9の変動と抑うつ症状の再燃・再発との関連を検討する。 現在は、復職郡と非復職群間で血清interleukin-b濃度の比較検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は検体収集が少なかった
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は最終年度なので、学会参加(発表)、論文出版、研究打ち合わせ会議、にかかる費用、MAGPIXのランニングコストなどを考えると多額になると考えられる為
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