本研究では、うつ病など精神疾患の脳脊髄液中マイクロRNAバイオマーカーの開発を目指した。収集済みの精神疾患脳脊髄液と、うつ病、統合失調症、双極性障害、健常対照合計106例のマイクロアレイ測定結果から候補分子を選択し定量PCRによる検証を試みた。アレイの結果から延べ193分子を選択したが、定量PCRによる解析により定量性の確保できる分子は限られることが明らかとなり、実用性の観点等から40分子に絞り込んだ。その中には、うつ病の一部で顕著に亢進しているmiR-3620-5pや重症度と相関するmiR-1908などが含まれていた。今後、亜型分類マーカーを中心とした実用化を目指したい。
|