病理学的には高齢者の軽度認知症障害の最も多い原因である嗜銀顆粒性認知症について、初めての臨床研究として、MRI画像上の側頭葉前部内側(迂回回に相当)の萎縮を主な指標に34例を診断し、うち47%でアミロイドPETは陰性であり、アルツハイマー型認知症14例では陰性0%であったことと明らかな対比を示した。また本症でもアポリポ蛋白E4があるとアミロイドPET陽性率が上がが、E4を持たないアミロイドPET陰性例が本症の中核的な一群と考えられた。高齢者の認知症の原因として、アルツハイマー型認知症以外の疾患として嗜銀顆粒性認知症が重要で、臨床的にも十分診断できることを示した。
|