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2014 年度 実施状況報告書

PTSDによる異性間の絆形成障害の脳内機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26461734
研究機関群馬大学

研究代表者

三井 真一  群馬大学, 保健学研究科, 教授 (20295661)

研究分担者 高橋 麻衣子  群馬大学, 保健学研究科, 助教 (50701322)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードプレリーハタネズミ / ストレス / オキシトシン / バソプレッシン / パロキセチン / 視索上核 / 室傍核
研究実績の概要

3日間単独で飼育したオスのプレリーハタネズミsingle prolonged stress (SPS)処置を行った。SPS処置後7日目にオープンフィールドテストを行ったが、中央部分での滞在時間にSPS処置群と対象群の間に差は認められなかった。また、SPS処置後8日目に一晩絶食させた被験個体にショ糖を含む寒天と含まない寒天を提示し、どちらをより多く摂取するかを測定したが、SPS処置群と対象群との間に差は認められなかった。
SPS処置後7日目から14日目まで被験個体をメス個体(パートナー)とを同居させた後、パートナーと見知らぬメス個体(ストレンジャー)を提示して、どちらの個体に対して嗜好性を示すかを検討した。対象群はストレンジャーよりパートナーに対して長い時間親和行動を示し、嗜好性が認められた。一方、SPS処置群ではパートナーに対する嗜好性を示さなかった。以上のことから、アンヘドニア、および不安行動にはSPS処置に起因する異常は検出されなかったが、SPS処置が雌雄の絆形成を阻害することが明らかになった。
SPS処置後1週間の時点で脳を灌流固定して摘出し、前脳でのバソプレッシンなどの社会性神経ペプチド、およびチロシン水酸化酵素の免疫染色性を検討した。チロシン水酸化酵素については検討した3つの脳領域においてSPS処置群と対象群との間に有意な差は認められなかったが、視床下部における社会性神経ペプチドの発現量がSPS処置群において有意に低下していることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

SPS処置によってプレリーハタネズミの雌雄の絆形成が阻害されることを明らかにした。さらに、SPS処置による雌雄の絆形成阻害に伴って視床下部において社会性神経ペプチドの発現量が低下することを明らかにすることができた。

今後の研究の推進方策

PTSDの薬物療法に使用されるSSRIの投与がSPS処置による雌雄の絆形成阻害に及ぼす効果を検証する。SSRI投与の効果がパートナーメスに対する認知機能に関わる脳領域の活動に及ぼす効果についても検討を行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Tissue plasminogen activator modulates emotion in a social context2015

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Nakamura, Ayumi Takabe, Fuki Shimizu, Maiko Takahashi, Osamu Matsuo, Shinichi Mitsui
    • 雑誌名

      Behavioral Brain Research

      巻: 281 ページ: 24-31

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.1016/j.bbr.2014.11.022

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Seizure-related gene 6 (SEZ-6) modulates formation of filopodia-like protrusions.2014

    • 著者名/発表者名
      Chiharu Hidaka, Shinichi Mitsui
    • 学会等名
      6th International Conference on Advanced Micro-Device Engineering
    • 発表場所
      桐生市
    • 年月日
      2014-12-05 – 2014-12-05
  • [学会発表] A single prolonged stress disturbs pair bonding in the monogamous, prairie vole.2014

    • 著者名/発表者名
      Aki Arai, Yu Hirota, Shiori Miyata, Naoki Miyase, Larry Young, Yoji Osako, Kazunari Yuri, Shinichi Mitsui
    • 学会等名
      第37回日本神経科学大会 Neuroscience 2014
    • 発表場所
      横浜市
    • 年月日
      2014-09-11 – 2014-09-13

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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