心的外傷後ストレス障害(PTSD)患者においてパートナーとの人間関係の破綻をきたす症例が報告されているが、その神経機構を明らかにするために一夫一婦制を呈するプレリーハタネズミを材料に、トラウマ処置後の社会行動と脳内変化を解析した。トラウマ処置によりオキシトシン免疫染色性の低下とプレリーハタネズミの一夫一婦形成は阻害が生じ、これらはセロトニン再取り込み阻害剤の経口投与によって予防できることが明らかになった。 本研究成果は社会行動の観点からPTSDの脳内の変化一端を明らかにし、新規なPTSDの治療法開発の基盤をなすと考える。
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