本研究では、近赤外線スペクトロスコピィNIRSの特色を活かして、認知行動療法CBTの脳機能への影響を縦断的に評価し、治療効果の判定に有効なbiomarkerを確立することを目指した。パニック障害患者8例を対象としてCBTを行い、治療前後に臨床評価と言語流暢性課題を用いたNIRS測定を行った。CBT前後のNIRSデータについて、酸素化ヘモグロビン濃度の変化を時間クラスター解析により比較したところ、治療後では右上側頭回及び下前頭回付近で賦活量が優位に増加していた。今後、NIRSデータのフィードバックによりCBTの有効性を促進するなどの取り組みを考えている。
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