研究課題
4施設(富山大、東北大、東邦大、東京大)において精神病発症危険状態(at risk mental state、ARMS)と診断された104名(うち21名が後に精神病性障害に移行した)と健常者100例以上の頭部MRIを撮像し、labeled cortical distance mapping (LCDM)やlocal gyrification index (LGI)を用いてARMS群における形態変化の検討を進めた。LCDMについては、海外研究協力施設のJohns Hopkins大学Center for Imaging ScienceのTilak Ratnanather准教授の技術的支援を受け、解析を行った。ARMS精神病発症群において前部帯状回の皮質圧が発症前より有意に菲薄化していること、ARMS精神病発症群では非発症群より後頭葉皮質のLGIが有意に上昇していることなどを見出している。つまり、将来の精神病性障害の発症に関連する脳形態変化が発症前から存在すことを示唆している。前者の成果についてはSchizophrenia Bulletinに(Takayanagi et al., 2017)、後者の成果はBiological Psychiatryに(Sasabayashi, Takayanagi et al., 2017)に原著論文として公表した。この様な脳形態変化が臨床応用、すなわちサロゲートバイオマーカーとして利用できるか否かの検討を行い、7割程度の精度で発症予測が可能とした予備的な解析結果について、Organization for Human Brain Mappingの年次総会(6月25日‐29日、バンクーバー)で演題発表を行った。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
European Archives of Psychiatry and Clinical Neurosciences
巻: in press ページ: in press
10.1007/s00406-018-0890-6
Schizophrenia Bulletin
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