認知症発症予測マーカーを検討する目的で認知症リスクの高い高齢うつ病に注目し,高齢うつ病とうつ病を伴わない健忘型MCI患者を対象に研究した. 高齢うつ病群において血漿Aβ40高値は,海馬傍回萎縮度の増加や文字流暢性の低下と相関していた.治療前後の認知機能からうつ病群を認知機能正常群,MCIから正常へのリバート群,MCI非リバート群の3群に分けると,認知症リスクの高いMCI非リバート群では入院時点で他の2群より血漿Aβ40が高く,文字流暢性が低かった.これらは,非うつ病性MCI群には認められず,うつ病から認知症発症に至る予後マーカーの可能性が示唆された.血中酸化RNAには予後予測機能は乏しかった.
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