研究課題/領域番号 |
26461747
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森原 剛史 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90403196)
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研究分担者 |
武田 雅俊 藍野大学, 公私立大学の部局等, 学長 (00179649)
田中 稔久 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (10294068)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | アルツハイマー病 / 網羅的解析 / モデル動物 / 疾患修飾遺伝子 |
研究実績の概要 |
統合Omics解析:マウストランスクリプトミクスとヒトGWASの異種データーの統合に成功した。統合的な統計解析によりアルツハイマー病に関与する3つの候補遺伝子を同定している。現在は非公開だが、論文作成準備中である。3つの遺伝子についてはヒト剖検脳も用いた機能的解析も行い、アルツハイマー病への関与を別の角度から支持する結果を得ている(投稿準備中)。 末梢血RNAを含む臨床検体の収集は予定通りすすめられた。再現性の検討も進んでおり、現在のところ良好な結果を得ている。 KLC1の機能解析については、培養細胞などを用いて行った。スプライスバリアントへより特異性を向上させたsiRNAの再設計など実験系をより洗練させた。これら新しい実験系でも再現性が確認された。 KLC1の上流に関する検討を行った。ヒトゲノム解析も進め、KLC1の調整を行っている可能性のあるゲノム上のバリアント候補を見つけた。しかしこれらは決定的な結論が得られるほどの信頼性があるとは我々はまだ考えていない。一方全く異なる、かつ予定外のアプローチでKLC1の上流を考える上での重要な最初のデーターが得られており、新たな国際共同研究も始まった(未発表・非公開)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2つのOmics統合解析については論文作成中である。 KLC1の機能については、当初予想していなかった別の遺伝子研究との関連が発見され、計画以上の進展がある(新たな国際共同研究がはじまっており、かつ知財の関係もあり内容は非公開)
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今後の研究の推進方策 |
ヒト末梢血の解析については、バイオマーカーになる可能性が高まっている。信頼性の高いバイオマーカー開発のためには十分な基礎的な検討が必要であり、期間を延長して取り組む。 KLC1については本研究の成果を基にした治療薬開発も目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究は順調かつ予定以上の成果をもたらしている。臨床検体を用いた実験でも有望な結果を得ており大学知財部や弁理士との協力も始まっている。臨床検体の場合、信頼性や確実性の確保は極めて重要であり、慎重な検定をさらに平成29年度に延長して行うため。
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次年度使用額の使用計画 |
臨床検体の収集、解析。その理論的背景となる遺伝子機能について培養細胞、マウス、臨床検体を用いた機能解析。
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