1500名以上の4大認知症、すなわち、アルツハイマー病(AD)、レビー小体型認知症(DLB)、血管性認知症(VaD)、前頭側頭葉変性症(FTLD)におけるアパシー(意欲低下)を客観的な評価尺度NPIを用いて評価した。その結果、アパシーはAD、DLB、VaDでは、認知症の進行に伴い重度化し、ほぼすべての重症度で最も高頻度に見られる精神症状であった。一方、FTLDでは、認知症の重症度に関わりなく、ごく初期や進行期で最も頻度の高い精神症状であった。このように、アパシーは認知症の原因疾患に関係なく極めて頻度の高い、治療標的となる重要な精神症状であることを明らかにした。
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