研究課題/領域番号 |
26461751
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
林 要人 宮崎大学, 医学部, 准教授 (20295223)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 認知症 / バイオマーカー / BPSD |
研究実績の概要 |
本研究は認知症患者とその介護者を対象に、認知症患者の行動・心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia:BPSD)の発現を予測するために患者の唾液中コルチゾールとメラトニン分泌量を測定し,その経時的変化の仕方からBPSDの発現を予測することが可能かどうかを検討することを目的としている。本試験のプロトコールおよび実施に関して本大学医の倫理委員会での承認を得ており調査はすでに開始している。予備試験では試験開始後2ヶ月ごとに連続する3日間、1日5回測定を予定したが頻回のサンプル採取は認知症患者では困難な状況と考えプロトコールは試験開始後3ヶ月ごとに連続する2日間1日4回測定に変更した。現状では3例登録をしており現在調査継続している。予定数を下回る状況のため継続して当院外来患者とその家族に研究参加依頼を行っている。侵襲性の少ない検査であるが、家族の負担は予想以上に大きいものと考える。サンプル数が少ないこと調査期間は全経過で1年間を予定しているため結果を考察することは現状では困難である。各バイオマーカー測定用の試料は-80度で貯蔵する場所を確保している。サンプリングの仕方の調整,採取後の自宅での保管条件等の設定を繰り返し施行している.課題となるのは自宅での保存方式であり測定時の問題が生じないよう統一した条件にそろえる工夫が必要と考えている。予備的な施行では当科における現行の設備で計測は可能であることを確認しておりサンプル数が増えたのちに各バイオマーカーを測定しその変化の仕方からBPSDの発現を予測できるかどうか検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
症例数の登録が現状ではまだ不足している状況のため参加者を継続して募り確保する。サンプルの採取方法や自宅での保存の仕方を一定にするように調整が必要と考える。測定方法自体はすでに確立されており今後症例を増やし各バイオマーカーのサンプル採取を継続して行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
参加登録患者数の増加を継続して募る。方法としては当院外来だけではなく年に2回程度開催される市民公開講座などの認知症患者とその家族が集まる講演会や会議に出席し認知症関連の講演を行う際に本試験の説明を行い協力を要請する。当院のみならず県内協力病院に働きかけて患者紹介を受ける。参加者が増加すれば測定結果をもとに各バイオマーカがBPSD症状発現に関与しているのか多数の症例のデータ解析をもとに検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
現状では当該試験に参加人数が少なく採取されるサンプルの量が少ない為にバイオマーカー測定をする回数が少なかった為.キットの使用量が少なかったことが原因である。このため使用額が若干予定より少なくなったと思われる。
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次年度使用額の使用計画 |
当院外来のみならず、市民公開講座開催時に参加者を募集したり、県内協力病院に働きかけ当該試験に参加可能な患者紹介をしていただき、今後症例数を増やし、サンプル数を増やして測定回数を増やす見込みである。これらにより必要な各バイオマーカー測定キットとサンプル採取用の器具を必要数購入していく。
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