研究課題
前頭葉側頭葉変性症(FTLD)72例についてその病理学的分類を行った。その内訳はtauタンパクが蓄積するFTLD-tauは29例、TDP-43が蓄積するFTLD-TDPは32例、FUSタンパクが蓄積するFTLD-FUSは10例であった。FTLD-FUSの中でもbasophilic inclusion body disease subtypeは6例みられ、そのうち3例で舞踏運動を呈したことなどについて論文報告した。また、FTLD様の症状を呈した抗グルタミン酸受容体抗体陽性神疾患患者について精神医学的・神経心理学的評価を行い、血清抗グルタミン酸受容体抗体濃度と幻覚や不安との関連について論文報告を行った。さらに、FTLDと関連する臨床研究として、軽度認知障害患者について、脳血流SPECT所見と神経心理学的所見との関連について検討を行い、国際学会で報告した。
2: おおむね順調に進展している
研究の対象がFTLDに関連した疾患であるハンチントン病、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、抗NMDA受容体抗体陽性神疾患なども含め、当初の予定よりやや広くなっているが、これは意欲的に取り組んだ結果である。これらの研究について論文発表や学会報告ができている。
前述の学会発表を行った研究や症例報告について国内外の論文に投稿する予定である。
国際学会に参加することを取りやめたため、次年度繰越金が618,886円生じたが、そのこと以外はほぼ計画通り使用している。
次年度の学会発表や論文作成に必要な費用、実験結果の確認に必要な試薬や抗体などの費用に用いる予定である
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)
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