研究課題
FTLDと関連する臨床研究として、軽度認知障害患者について、脳血流SPECT所見と神経心理学的所見との関連について検討を行い国内学会で報告した。具体的には、MCI患者43例を対象とした調査を行った。後部帯状回・楔前部に血流低下を認める群(ADP群、30例)、後部帯状回・楔前部に血流低下を認ず、前頭側頭部に血流低下がみられる群(NADP群、13例)の2群に分け、それぞれについて神経学的検査(HDS-R、MMSE、COGNISTAT)の結果を比較した。両群間において、HDS-R、MMSEの総得点や下位項目などの得点に大きな違いはなかった。しかし、COGNISTATの下位項目では見当識の領域でADP群(8.37)がNADP群(9.58)に比して有意に得点が低く、また、重症を示す下位項目数はADP群(1.5個)でNADP群(0.62個)に比して有意に多かった。MCI患者において後部帯状回・楔前部の血流低下は、より重度の認知機能障害を引き起こしている可能性がCOGNISTATの結果より示唆された。この結果は軽度認知障害の段階でのFTLDやアルツハイマー病の臨床症状の理解を深めることが出来た。また、FTLD様の症状を呈した抗グルタミン酸受容体抗体陽性神疾患患者について精神医学的・神経心理学的評価を行い、血清抗グルタミン酸受容体抗体濃度とWZAISⅢで示される認知機能障害との関連について学会報告を行った。
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