研究課題/領域番号 |
26461753
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
福居 顯二 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50165263)
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研究分担者 |
中前 貴 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50542891)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | インターネット依存 / 強迫性 |
研究実績の概要 |
本研究では、近年社会問題となっているインターネット依存を、強迫スペクトラム障害の観点から捉え、「強迫性障害と同じく、前頭葉-線条体回路の過活動が存在し、反応抑制の障害と認知的非柔軟性の障害が病態のエンドフェノタイプとなるのではないか」という仮説を、MRI ならびに神経心理課題を用いて検証する。さらに、強迫性障害の治療に準じた行動療法による介入後にも同様の検査を行い、上記の神経回路が正常化されることを確認し、仮説を裏付けることを目的としている。 2014年度は、MRI画像のうちDiffusion Tensor画像の解析の新たな手法を強迫性障害と神経性食思不振症に適用して解析した結果を論文として報告した。その中で、全脳の主な神経回路について全般的に解析する手法と、前頭葉-線条体回路を特異的に検討する手法を用いて検討した。摂食障害においては脳弓と小脳で健常者と比較して異常を検出し、強迫性障害においては、前頭葉-線条体回路の異常を検出することが可能であった。また、機能的MRIの解析についても同様に強迫性障害を対象に検討を行った。これにより機能的結合を同様に前頭葉-線条体回路において検討することが可能となった。また、精神疾患、特に強迫スペクトラム障害の患者におけるインターネット依存の併存について後方視的な調査を開始している。 このような報告に加えて、安静時機能的MRIの画像を用いて健常者と強迫性障害患者を判別する技術についても開発し、前頭葉-線条体の機能的結合に注目することで高い判別率を出すことに成功した。今後のインターネット依存患者への適用を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象となるインターネット依存の患者を集めるための方法がまだ確立されていない。
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今後の研究の推進方策 |
他の精神疾患との併存例を発見するための手法を検討し、患者リクルートの体制を強化する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は予定していた通りにインターネット依存症患者のリクルートが進まず、既存のデータベースを使用して強迫性障害患者ならびに摂食障害患者の画像解析を主に行ったため、研究費の執行が少なく次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
インターネット依存症と他の精神疾患との併存例を発見するための手法を検討し、患者リクルートの体制を強化しているところであり、その体制ができしだい、被検者をリクルートし、MRIの撮像などの費用にあてる。
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