研究課題
“Brain circuitry of compulsivity”と題した強迫性に関する総説を英文雑誌で発表するとともに、強迫性障害(OCD)患者を対象とした神経画像研究を継続した。ENIGMAという国際共同研究プロジェクトにおいて大規模な解析を行い、成人OCD患者は健常者と比べて、海馬の灰白質体積が小さく、淡蒼球の体積が大きいことが見出され、その傾向は投薬を受けている患者で強かった。これらの研究と並行して、インターネット依存に関する質問紙調査を実施した。インターネットに接続する機器をもつ成人の精神疾患患者333名を対象にオンライン上での質問紙調査を実施し、このうち231名から回答を得た(回答率69.4%)。インターネット依存を評価する尺度であるInternet Addiction Test(IAT)で40点以上、または、Compulsive Internet Use Scale(CIUS)で21点以上の者を「問題のあるインターネット使用者 problematic internet users」、それ以外のものを「通常のインターネット使用者 normal internet users」と定義したところ、231名中58名(25.1%)が問題のあるインターネット使用者であった。成人の一般人口におけるインターネット使用障害の有病率は約6%と報告されていることを考えると、25%という数字はかなり高い有病率と考えられた。また、問題のあるインターネット使用者群と通常のインターネット使用者群を比較したところ、問題のあるインターネット使用者群は有意に年齢が低く、不眠、抑うつ、特性不安、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、自閉スペクトラム症、強迫性障害、社交不安障害、衝動性の尺度において高得点であった。これらの結果を論文にまとめ、英文雑誌に投稿した。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Am J Psychiatry
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