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2015 年度 実施状況報告書

近交系マウスエクソーム解析によるプレパルス抑制遺伝子同定と統合失調症での評価

研究課題

研究課題/領域番号 26461759
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

豊田 倫子  国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 客員研究員 (20392045)

研究分担者 吉川 武男  国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, チームリーダー (30249958)
SHABEESH BALAN  国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (70721588)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード脳神経疾患 / ゲノム / 遺伝子 / 生理学
研究実績の概要

昨年度までのマウス遺伝学的解析から、B6, C3H系統間のPPIの違いはCdh23 753A/G (B6が753A/A;C3Hが753G/G)による可能性が高まった。そこで本年度は、B6バックグラウンドのマウスがCdh23 753G/G (C3H型遺伝子型)となるようにCRISPR/Cas9によるゲノム編集技術を用いてノックインマウスを作成した。結果は予期したとおり、PPIの低下を惹起した。逆方向の操作、すなわちC3バックグラウンドのマウスがCdh23 753A/A (B6型遺伝子型)となるような実験も試みたが、C3の受精卵ではCRISPR/Cas9がうまく働かないことが判明し、断念せざるを得なかった。Cdh23 753A/A、Cdh23 753G/Gの両遺伝子型について、PPIを測定する12週齢前後のマウスでacoustic startle response、 auditory brainstem response、走査型電子顕微鏡による内耳の微細構造、等を精査したが、聴覚機能に差があるという所見は得られなかった。このことは、Cdh23 753G/G (C3H型遺伝子型)が聴覚機能に関係なくPPIの低下に寄与していると考えられる。ただ、PPIが良好である753A/A型は、部分的なエキソン9のスキッピングを引き起こし(-エキソン8-エキソン10-)(脳の領域によってもスキッピングの程度は異なる)、またイントロン9がスプライスアウトされずエキソン9から引き続き転写が伸張しイントロン9の内部の途中で転写が中止するトランスクリプト産物も一部生成されることを確かめた。これらのゲノム事象とPPIという表現型の因果関係はなお不明である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ゲノム編集技術を用いてノックインマウスまで作成してPPIを調べることができたので、おおむね順調に進展していると判断している。

今後の研究の推進方策

マウス遺伝学からだけのアプローチでは限界があるので、今後はヒト統合失調症-対照群サンプルを用いたCDH23遺伝子のリシークエンス解析に進み、疾患におけるCDH23遺伝子の生物学的意義を追究する。

次年度使用額が生じた理由

次年度の実験に用いる試薬・実験用品を購入したい為。

次年度使用額の使用計画

ヒト統合失調症-対照群サンプルを用いたCDH23遺伝子のリシークエンス解析に用いる試薬・実験用品を購入する。

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公開日: 2017-01-06  

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