本研究では、「環境x遺伝子相互作用」と、乳児期におけるASD様行動傾向発現との関連性を検証するため、乳児を対象とした縦断追跡を実施した。縦断追跡では、注視点計測・質問紙によるASD様行動傾向評価に加え、臍帯血サンプルを採取し、「環境x遺伝子相互作用」検証のためのデータベースを整備した。さらに、文献調査により、簡易に計測可能な、ASD特異的な非定型的脳機能マーカーを同定する為、発達障害児・者を対象としたfNIRS計測研究の文献調査を行った。その結果、小児ADHDでは、右半球とりわけ右前頭前野に限局した非定型的脳機能活動が多くみられたが、ASDでは、一貫した非定型的パターンは認められなかった。
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