研究課題
本年度は、主として開発中の統合失調症用の社会認知の包括的検査バッテリーであるABCSoCS(A Battery for Comprehensive Assessment of Social Cognition in Schizophrenia)について、統合失調群の被験者を拡充するために募集場所を増やし、作業所等の協力を得て新たな統合失調症被検群の被験者を募った。これによって統合失調症群の対象者を52名に増やすことができた。これを受けて、既存のデータと新規に取得したデータを用いて分析を行った。結果として、表情認知や提示された場面にあった行動の選択など多くの項目で統合失調症患者群の能力が損なわれていることが示唆された。しかし一方で原因追究方向( Attributional Style )を測定するAIHQの下位項目(敵意・非難・攻撃性)の平均点や自己認知(self-Awareness)を測定するために組み込んだ自己認知測定尺度評価尺度の下位項目などでは健常群と統合失調症群の間に有意な差は見られなかった。今後、さらに被験者を募るとともに論文化等に向けてデータの整理、分析等の作業を行っていく予定である。
3: やや遅れている
今年度、複数の作業所等の協力を得て統合失調症被検者の拡充に努めたが、対象者の年齢制限などから十分な数が確保できていない。
28年度は、さらに多くの作業所・デイケアなどの施設に協力を依頼し、被験者募集に努めるとともに、ABCSoCSの論文化に向けて作業をすすめていく。
被験者募集等がはかどらず、謝礼品等での支出が少なかったため。
28年度は、被験者の募集範囲を広げるとともに、ABCSoCS採点のためのPCシステムを構築する予定である。次年度使用額はこれに充当する。
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