研究課題/領域番号 |
26461770
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
丹羽 真一 福島県立医科大学, 医学部, 名誉教授 (30110703)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 統合失調症 / 社会認知 / 検査バッテリー |
研究実績の概要 |
ABCSocS(A Buttery for comprehensive Assessment of Social Cognition in Schizophrenia)については、現在までに統合失調症患者53名(平均年齢:33.81±5.71)、健常者42名( 平均年齢: 30.52±5.65 )についてのデータが得られている。 このデータについて、健常者と統合失調症群の間でどのような差が見られるかを検討したところ、表情認知を測定する“FEIT(Facial Emotion Identification Test)”の得点、心の理論について測定する“比喩・皮肉文テスト”、自己認知を測定する“認知行動的セルフモニタリング尺度”の合計点などを中心に多くの項目で健常者群の得点が良好であった。ただし、原因追究方向の偏りを測定するのに用いたAIHQ(The Ambiguous Intentions Hostility Questionnaire)について、下位尺度である敵意、非難、攻撃性の平均点に有意な差は見られなかった。また他者の行動の知覚を測定するために用いているSFRT(Situational Feature Recognition Test)においても、下位項目である“正しい抽象的特徴(場面に合った目的)の選択”の平均点 など有意な差が見られない項目もあった。 このABCSoCSの結果を基に統合失調症患者群のZ値を算出するなどし、より簡便に社会認知の測定を行うためにABC-D(ABC-Dissemination version)を作成した。作成したABC-Dについては、社会機能の評価と合わせてデータ収集を行っており、現在135名分のデータを収集し、解析を行っている状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ABC-Dの作成に時間を要した為、予定した研究計画より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は収集したデータを基にABC-Dについての解析を行い。より社会機能と関連のある項目などを探索していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
検査開発に時間を要した為、当初予定された検査協力謝金および研究内容の総括等に使用される金額に残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は、開発した検査についてその内容の解析等を行うとともに、研究内容をまとめて論文として発表する。 今回生じた残額は論文発表のための費用および研究内容の総括として研究報告書を作成するために使用する予定である。
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