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2017 年度 実績報告書

統合失調症の社会認知機能評価の包括的検査バッテリーとその簡易普及版の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26461770
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

丹羽 真一  福島県立医科大学, 医学部, 名誉教授 (30110703)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード統合失調症 / 社会認知 / 検査バッテリー
研究実績の概要

我々は、既存の尺度を組み合わせ“統合失調症のための包括的社会認知検査バッテリーABCSoCS(A Battery for Comprehensive Assessment of Social Cognition in Schizophrenia)”を作成し、これをもとに統合失調症患者の社会認知を短時間で簡便に測定することを目的とした短縮版のテストABCD(ABC Dissemination version)を作成し、SASS(Social Adaptation Self-evaluation Scale)、および第三者評価としてGAF(Global Assessment of Functioning)、LSP(Life Skills Profile)の社会機能評価尺度を合わせて実施し、ABC-Dの評価と、社会認知と社会機能関連を探索した。
この結果、表情認知を測定するFEST、こころの理論を測定する比喩皮肉文テストにおいて症状が軽度であっても健常者に比べて得点が低いことが示された。ことから表情認知、心の理論が統合失調症において、重症度によらず、障害されている機能である可能性が示唆された。他者の行動の知覚を測定するSFRTの誤った抽象的特徴の選択において中程度以上の症状がある群が低い点数であった。場面に合わない目的を除外する能力は、より症状が重い状態において障害されている機能である可能性が示唆された。
これに加えて、ABCDと社会機能の評価尺度との間に多くの項目で有意な相関が示された。今回作成されたABCDが、社会機能と関連する社会認知機能を測定していることが示唆された。特にFEST、比喩皮肉文テストについてGAF、LSPとの有意な相関が示された。このことから表情認知、心の理論が社会機能と強く関連し、社会機能を考えるうえで重要な要素となり得る可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 社会機能障害の改善は主観的満足感・QOLの改善につながるか2017

    • 著者名/発表者名
      國井泰人、星野大、丹羽真一
    • 雑誌名

      精神科

      巻: 31 (1) ページ: 43 - 49

  • [学会発表] 統合失調症の社会認知機能の包括検査バッテリーABCDの成績と社会機能との関連2017

    • 著者名/発表者名
      國井泰人、星野大、丹羽真一
    • 学会等名
      第17回精神疾患と認知機能研究会

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公開日: 2018-12-17  

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