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2015 年度 実施状況報告書

病院内の自殺事故の実態調査および病院管理者と医療者に対する自殺予防教育

研究課題

研究課題/領域番号 26461771
研究機関札幌医科大学

研究代表者

河西 千秋  札幌医科大学, 医学部, 教授 (50315769)

研究分担者 大塚 耕太郎  岩手医科大学, 医学部, 講師 (00337156)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード自殺予防 / 重大医療事故 / 医療安全 / メンタルヘルス / 教育 / 悲嘆ケア / 多職種チーム
研究実績の概要

病院内の自殺事故の実態調査を実施した。平成26年度に作成した実態調査票案について確定版を作成し、平成27年度の9月から10月の期間内に国内の1113病院(いずれも日本医療機能評価機構認定病院患者安全推進協議会会員病院)を対象に調査紙を配布し、2015年を含む過去3年間の病院内の自殺事故の詳細について調査を実施した。この中には、自殺事故発生後の対応、当事者となった医療スタッフへのケアも含まれた。
すでに回答は回収し、集計を行ったが、今後、続けて正確な集計データのとりまとめを行い、このデータ・セットを用いた詳細な解析を行う予定である。
病院内の自殺事故の予防と事後対応のための研修会に関する研修満足度調査については、平成26年度は102名の参加者に対して調査を行い、講義に対する満足度(とても参考になる、参考になる)は100%、グループワークに関する満足度(とても役に立つ、役に立つ)は90.2%と高い評価を得た。他に、ほとんどの参加者において知識、技術の習得度、困難感の軽減についても効果的であったとの回答を得た。
一方で、これらの各項目評価について、管理職、あるいは非管理職といった参加者属性間に差異はほとんどなく、管理職に特異的なプログラムのあり方についてはさらに検討を要するものと考えられた。
病院内の自殺事故の予防と事後対応のための研修会は、これも計画通りに平成27年度内に2回実施し、参加者に各種調査を継続的に実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1.病院内の自殺事故の実態調査は、実態調査票を予定通りに確定し、年度内の9月から10月の期間内に国内の1113病院(いずれも日本医療機能評価機構認定病院患者安全推進協議会会員病院)を対象に調査紙を配布し、調査を実施した。結果については、年度内に回答を介入し、現在、データ集計と解析を実施中である。
2.病院内の自殺事故の予防と事後対応のための研修会の満足度調査については、平成26年度は102名の参加者に調査を行い、講義に対する満足度(とても参考になる、参考になる)は100%、グループワークに関する満足度(とても役に立つ、役に立つ)は90.2%と高い評価を得ている。他に、ほとんどの参加者において知識、技術の習得度、困難感の軽減についても効果的であったとの回答を得た。
3.病院内の自殺事故の予防と事後対応のための研修会は、これも計画通りに平成27年度内に2回実施し、参加者に各種調査を実施した。

今後の研究の推進方策

1.病院内の自殺事故の実態調査は、予定通りに調査は遂行したので、回収した回答について、回答率、調査内容の結果詳細などについて集計、解析を継続実施する。そしてその解析結果等を段階的に内外に公表し、論文作成も行う。
2.病院内の自殺事故の予防と事後対応のための研修会の満足度調査については、平成26年度-27年度、28年度の経年的データを集計、解析する。
3.病院内の自殺事故の予防と事後対応のための研修会は、平成27年度も少なくても2回実施し、参加者に各種調査を実施する。
4.研修満足度等については、全体に極めて高い満足度が示されており(講義などはほぼ100%)、管理職者に特異的な研修事項や配慮事項などは見いだせず、したがってこれに対応した特異的な教育資材を作成することは必要がないことがわかった。これらの結果を踏まえて、改めて管理職に対する標準的な啓発・教育動画などを作成する予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究計画は、ほぼ予定通りに進捗しているが、物品費を節減し、また謝金を計上していた作業について人件費等を節減したために使用額に差異が生じた。

次年度使用額の使用計画

引き続き、研究データの集計、解析に関して、必要に応じて物品の購入、作業に対する謝金の支払いを行う予定である。また、成果公表、及び今後の研究課題について検討するために国内外での研究者間の打ち合わせ会議などを実施する予定である。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] Interventions to repeat suicidal behavior in patients admitted to an emergency department for a suicide attempt: a systematic review and meta-analysis.2015

    • 著者名/発表者名
      Inagaki M, Kawashima Y, Kawanishi C, Yonemoto N, Sugimoto T, Furuno T, Ikeshita K, Etoh N, Tachikawa H, Shiraishi Y, Yamada M
    • 雑誌名

      J Affect Disorder

      巻: 175 ページ: 66-78

    • DOI

      10.1016/j.jad.2014.12.048

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 横浜市立大学附属市民総合医療センター救命救急センターに搬送された自殺企図者の転帰に関する調査2015

    • 著者名/発表者名
      井上佳祐,河西千秋,日野耕介,伊藤翼,高橋雄一,小田原俊成,平安良雄
    • 雑誌名

      神奈川精神誌

      巻: 64 ページ: 3-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 救急医療を起点とするエビデンスに基づく自殺未遂者ケア:ACTION-J試験の成果と課題2015

    • 著者名/発表者名
      川島義高, 河西千秋, 衞藤暢明, 山田光彦
    • 雑誌名

      精神医学

      巻: 57 ページ: 523-529

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 特殊な病態への対応:自殺企図・自殺念慮2015

    • 著者名/発表者名
      河西千秋,井上佳祐
    • 雑誌名

      内科

      巻: 115 ページ: 253-257

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 自殺対策のための戦略研究ACTION-J:post-ACTION-Jの現状と課題2015

    • 著者名/発表者名
      河西千秋,川島義高,衞藤暢明,山田光彦
    • 雑誌名

      自殺予防と危機介入

      巻: 35 ページ: 18-19

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 急性薬物中毒の心理社会的要因と患者へのアプローチ2015

    • 著者名/発表者名
      井上佳祐,河西千秋,米本直裕,山田光彦,平安良雄
    • 雑誌名

      薬局

      巻: 66 ページ: 22-25

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 自殺対策のための戦略研究ACTION-J:その成果と施策化への進捗2015

    • 著者名/発表者名
      河西千秋,安東友子,川島義高,山田光彦
    • 雑誌名

      自殺予防と危機介入

      巻: 36 ページ: 21-25

    • 査読あり
  • [学会発表] Effectiveness of an assertive case management intervention for suicide attempters who were admitted to emergency departments (Action-J)2015

    • 著者名/発表者名
      Kawanishi C
    • 学会等名
      27th. World Congress of the International Association for Suicide Prevention
    • 発表場所
      モントリオール、カナダ
    • 年月日
      2015-06-19 – 2015-06-19
    • 国際学会
  • [図書] よくわかる自殺対策:多分野連携と現場力で「いのち」を守る2015

    • 著者名/発表者名
      河西千秋
    • 総ページ数
      293
    • 出版者
      ぎょうせい
  • [図書] 精神保健福祉白書2016年版2015

    • 著者名/発表者名
      河西千秋
    • 総ページ数
      226
    • 出版者
      中央法規出版
  • [図書] 精神科救急医療ガイドライン2015年版2015

    • 著者名/発表者名
      河西千秋
    • 総ページ数
      190
    • 出版者
      へるす出版

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公開日: 2017-01-06  

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