自殺は、病院における主要重大医療事故の一つである。報告者らは、自殺事故予防対策を策定することを目的に、全国の病院を対象に病院内の自殺事故と事後対応の詳細を調査した。その結果、精神科病床の無い432の一般病院の19%で107件、精神科病床を有する63の一般病院の67%で74件、そして63の精神科病院の79%で81件の入院患者の自殺事故が2012-15年の3年間に生じていたことが分かった。精神病床以外の病棟での自殺事故の50%を癌患者が占めていたことも分かった。また、事故発生直後の医療者当事者に対する専門的なケアの不足の実状が明らかとなり、各種トラブルなどの実状も明らかとなった。
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