研究課題/領域番号 |
26461772
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
新村 秀人 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70572022)
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研究分担者 |
水野 雅文 東邦大学, 医学部, 教授 (80245589)
根本 隆洋 東邦大学, 医学部, 准教授 (20296693)
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研究協力者 |
喜田 恒
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 精神障害 / 統合失調症 / 高齢 / サクセスフルエイジング / 地域ケア |
研究成果の概要 |
大規模な地域移行支援「ささがわプロジェクト」の退院12年後転帰は、78名中15%が死去し、生存67名(平均66歳)は入院中13%、施設入所6%、地域生活維持67%だった。退院後12年間に26%は再入院なく、54%は精神科へ再入院なく地域生活を維持した。 60歳以上のグループホーム入居者84名を検討したところ, 加齢とともに身体・認知機能の低下を認めたが, 主観的指標や向老意識は, 年齢群による差を認めなかった。 地域生活する高齢精神障害者67名(平均69歳)を調査した結果、支援ニーズは75歳以上では異なり、身体機能低下のため活動よりも対人交流に楽しみにし、健康に留意し周囲を頼りにする傾向があった。
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自由記述の分野 |
社会精神医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、海外においても例の少ない、統合失調症患者におけるサクセスフル・エイジングについて社会精神医学的に検討したことであろう。わが国において、精神科に長期入院した後であっても、適切な支援のもとでは、多くの精神障害者が再発することなく地域生活を継続し得ることが示された。地域生活支援においては、患者の体力の低下が目立ってくる75歳を境に、変化したニーズに応える支援を工夫することが必要であろう。本研究の成果は、医療や福祉の現場において今後ますます増えると予想される高齢の統合失調症患者への援助のあり方に益するのみならず、精神保健福祉医療の政策決定にも寄与すると考えられる。
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