覚醒維持物質オレキシンの拮抗薬スボレキサントがせん妄予防効果をもつか、多施設共同プレセボ対照ランダム化比較試験で検証した。65-89歳のIUCあるいは急性病棟に2015年4月から2016年3月に新規入院する救急患者72名がスボレキサントあるいはプラセボにランダム割付けされて3日間就寝時に服用した。主要観察項目はDSM-5で定義されたせん妄の出現率である。スボレキサント群はプラセボ群と比較して有意にせん妄出現率が低かった(0% vs. 17%, P=.025)。急性疾患で入院する高齢患者において、スボレキサントの就寝時投与にはせん妄予防効果が認められる。
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