妊娠高血圧症に類似したモデルラットを用いて,妊娠期の高血圧に対する介入を行い,産仔の行動学的変化,胎児の神経幹細胞の分化・増殖能を明らかにすることで,妊娠高血圧症が発達障害に及ぼす影響とその分子基盤を解明することを目的として検討した。 SHRSPの産仔では,正常血圧のWKYに比べて衝動性が観察されたが,この衝動性は降圧薬の投与により改善された。SHRSPの神経幹細胞を分化誘導したところ,神経細胞の形態異常やアポトーシスが観察された。降圧薬の投与は,これらを改善した。このことから,発達障害の発症に妊娠高血圧症が関与していること,妊娠高血圧の治療によりそれが予防できることが明らかとなった
|