研究課題/領域番号 |
26461778
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
東島 恵美子(宍戸恵美子) 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40723101)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 視線計測 / 眼球運動 / アイハンドコーディネーション / 発達障害 / 学習障害 |
研究実績の概要 |
発達障害、特に自閉スペクトラム症では、頻繁に視覚情報との協調運動の障害が報告される。本年度は人の視覚情報処理の仕組みを調べるために、まず成人の健常者が描画を行うときの眼球運動について、視線計測装置を用いて測定・解析を行った。工学系の大学である、豊橋技術科学大学との共同研究で行い、測定を自然科学研究機構生理学研究所で行った。研究の成果を、国内の工学系の研究会で発表した。人が、線をモデル軌道にそって描くときに、視線が先行することがわかった。現在、視線先行の度合いが書道の習熟度によって違うことを利用して、先行がどのようなメカニズムで起こるのか、また、どのような協調運どのスキルを表しているのか、などを解析している。習熟した人では、視線の先行が描画スピードとの関連があることが示された。しかし、現段階では、20人のデータ解析のうち半数程度しか終わっておらず、次年度以降にデータ解析を継続し、上記の視線先行の性質が、(1)当てはまる人と当てはまらない人の違い(2)描画スキルの上手さとの関係(3)視線先行と描画スピードの関係から描画時の視線先行に関する計算モデルの作成などへと発展させていきたい。共同研究者である、豊橋技術科学大学の福村直博・工学博士は、以前より描画時における腕の動きについて基礎的な研究を行っており、運動理論や運動制御についての理解が深い。今後も共同で解析や計算モデルの作成にあたっていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果は、現在は測定データの解析中であり、解析が終了後に専門的な雑誌に論文として投稿する予定であるが、現在までに、解析手法について研究発表をしており、順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、現在解析中のデータについてさらなる解析を進め、視線先行と手の動きの関係がどのようになっているかを解析的に捉え、記述できるようにする。得られた結果について投稿論文を作成して発表する。次のステップとして学習障害における視線計測や、アイハンドコーディネーションの特性への理解へと進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請者は平成26年度の途中まで、共同研究機関の自然科学研究機構において測定を行っており、異動に伴い、測定計画上で若干の遅延が生じ、測定に関する機器の購入が遅れたため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、名古屋大学および共同研究機関の豊橋技科大において、測定装置の購入を行い、研究計画を続行する予定である。
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