研究課題/領域番号 |
26461779
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 |
研究代表者 |
長峯 正典 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 准教授 (70725217)
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研究分担者 |
清水 邦夫 防衛医学研究センター, その他部局等, 教授 (00531641)
吉野 相英 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 教授 (20191629)
重村 淳 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 准教授 (90286576)
角田 智哉 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 助教 (10638620)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 災害精神医学 / 遅発型PTSD / 二次的トラウマ / 災害派遣 |
研究実績の概要 |
「東日本大震災の災害救援業務において救援者が被る心理的影響に関する縦断研究」について、科研費の助成が決定したことを防衛省の陸上幕僚監部衛生部に報告し、今後は組織における研究として実施するための承認を得た。また、防衛医科大学校の倫理委員会において、研究実施の承認を得た。さらに、陸上自衛隊所属の全国の臨床心理士に対し、本研究計画及び実施方法について説明して回り、研究協力を依頼した。 防衛省の健康管理の一環として8月から9月にかけて実施されるメンタルヘルスチェックにおいて、本研究に必要な心理的評価尺度(K10及びIES-R)を入れてもらい、対象となる職員のデータを収集した。また、平成27年2月に実施された第60回防衛衛生学会において、本研究に関するサテライトシンポジウムを開催し、本研究の実施状況及び問題点について議論した。その中で、職場において臨床心理士が精神疾患簡易構造化面接を実施することが予想以上に困難であることが明らかとなった。職場における精神保健スタッフとして、臨床心理士が研究に協力することにより、職員との信頼関係を損ないかねないという背景が挙げられた。 本研究を計画する契機となった予備調査に関しては、第13回日本トラウマティックストレス学会及び、第110回に本精神神経学会において報告した。特に日本トラウマティックストレス学会においては、本演題が最優秀演題賞を受賞した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の主要アウトカムとして予定していた、精神疾患簡易構造化面接の実施が予定通り実施できていない。現時点において、実施数は100例に満たない状況となっている。実施の担い手である職場の臨床心理士が、研究に協力することにより職員との信頼関係を損ないかねないという背景が原因として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は精神疾患簡易構造化面接のデータを集計・分析し、本研究の主要アウトカムとして十分であるかどうかを検討する。もしも十分でないと判断が下れば、主要アウトカムを心理的評価尺度であるK10及びIES-Rに切り替え、引き続き震災5年後・7年後のデータを収集できるように調整を続ける。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究に使用する統計処理ソフトSPSSを購入予定であったが、別の研究予算にて入手することが出来た。そのため、当初予定していた額を使用することなく平成26年度を終えることとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
当初計画していた主要アウトカムである“精神疾患簡易構造化面接”については、予定していた件数を収集することが困難な状況にあり、これらの代わりとしてIES-R及びK10といった心理尺度を主要アウトカムとして設定することを検討している。平成23年度に収集している予備データに対し、平成26年度に収集したこれらのデータを連結させる費用に余剰の助成金を当てる。 また、心的外傷反応に苦悩する隊員に対する先進的な治療技法や介入プログラムに関して、米国退役軍陣省のPTSD Center等から情報収集し、今後の研究を発展させるための資料としていく。
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