研究課題/領域番号 |
26461780
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
真鍋 徳子 北海道大学, 大学病院, 講師 (70463742)
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研究分担者 |
加藤 千恵次 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (10292012)
納谷 昌直 北海道大学, 大学病院, 助教 (20455637)
玉木 長良 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30171888)
真鍋 治 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40443957)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 心筋血流 / 心筋虚血 / 冠動脈 / MDCT / 機能的狭窄度 |
研究実績の概要 |
我々の施設では320列MDCTを用いて包括的冠動脈形態および心筋血流定量評価法のプロトコールを確立するため、まず健常ボランティアによる撮影方法の確立を試みた。造影タイミングを患者ごとに毎回設定するのは困難であるので、どの患者でも同一の時相で撮影できるよう、肺動脈に関心領域を設定し、一定の造影剤濃度に達してから自動的にスキャンが始まるようにプロトコールを作成した。プロトコールが確立したのちに、健常ボランティア10例の心筋と左室内腔の時間造影曲線を算出し、single compartment modelに当てはめ、造影剤の速度定数K1を得て、Dynamic CTにおけるRenkin-Crone式を決定した。この式を別のボランティアに当てはめ、心筋全体の心筋血流量測定を行った。同一ボランティアから同時期に得られた水PET検査で得られた心筋血流量とCTで得られた心筋血流量との間に強い正の相関(相関係数0.96)が認められ、算出したRenkin-Crone式の妥当性が証明された。以上の心筋全体の初期解析結果はEuropean radiology 2014:24:1547-1556に"Quantification of myocardial blood flow using dynamic 320-row multi-detector CT as compared with 15O-H2O PET"として原著論文の形式で報告済みである。 心筋全体で非常に精度の高い測定結果となったので、次に心筋の冠動脈支配領域別の局所解析プログラムを開発している。局所解析の初期経験は研究代表者である真鍋徳子の指導のもと菊池穏香医師が、2014年の心臓核医学会で報告した。 菊池穏香、真鍋徳子他「320列MDCT dynamic CTPにおける局所解析 15O標識水との比較」
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
心筋全体の血流評価を行う解析モデルを確立し、健常例および患者における水PETでvalidationを行った初期経験を原著論文として報告済みである。
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今後の研究の推進方策 |
現在は心筋全体の解析から、冠動脈支配領域別の局所解析へ研究を進めている状態で、冠動脈CTAから得られた冠動脈の狭窄度とその支配領域における血流変化との関係を詳しく解析している段階で、冠動脈に狭窄がある症例および領域が増えることで、より詳細な検討が可能となると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際学会Asian oceanian congress of Radiology (AOCR)へ共同演者が参加しているが、国内での開催であったため、当初国際学会への参加費として計上していた額よりも低い額での支出ですんだことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は繰り越し金を国外での国際学会での発表へ使用する予定である。
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