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2014 年度 実施状況報告書

PD-ECGFを標的とした腫瘍イメージング:I-123標識体の製造システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 26461782
研究機関北海道大学

研究代表者

西嶋 剣一  北海道大学, アイソトープ総合センター, 講師 (60364254)

研究分担者 大倉 一枝  北海道医療大学, 薬学部, 教授 (60094827)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード放射性薬剤 / 血管新生
研究実績の概要

我々は、血管新生因子であるPD-ECGFを標的とした新しい腫瘍の放射性イメージング薬剤I-123標識IIMU注射液を開発し、北海道大学病院にてFirst-in-human 臨床試験を開始した。このI-123標識IIMU注射液は、衛生管理された環境下において可能な限り無菌操作を意識した手動での製造により得ているが現状であり、また製造者の被ばくの点からも改善しなければならず、自動合成装置による製造システムの構築が必要と考えられた。そこで本研究はI-123標識IIMU注射液の自動合成装置を用いた製造法を確立し、本装置により製造したI-123標識IIMU注射液の安全性の評価を目的とした。本年度は、1)自動合成に適した標識合成条件の検討(前駆体の量、濃度、反応時間、反応温度の最適化など)、2)自動合成装置の最適化および3)標識前駆体HIMU・TFA の合成を実施した。その結果、1)自動合成に適した標識合成条件の検討においては、前駆体溶液量が最低でも0.5mL必要であり、手動による合成と比べ大幅に増加し、I-123標識IIMUの放射化化学的収率も約25%と大幅に低下した。そのため2)自動合成装置の最適化、すなわちライン等における試薬液量の損失を少なくするための改造を平行して実施した。現在、自動合成装置の改造(最適化)を引き続き実施している。3)標識前駆体 HIMU・TFA の合成については、以前に合成した未精製品の固相カラムによる簡易精製を実施したが、わずかに不明の不純物を含んでおり、基準とした化学的純度98%を満たさなかった。。再結晶による精製を試みたが、結晶化は困難であり、目的物の損失が多かった。結果としてHPLCによる精製が必要であり、HPLC精製を継続している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

I-123標識IIMUの放射化化学的収率について手動による合成の50%を目標にしている。本年度に実施した合成条件および合成装置の最適化の検討の結果、放射化化学的収率25%と低いものであった。自動合成装置での試薬液量の損失により前駆体溶液量の増加が主な原因である。

今後の研究の推進方策

I-123標識IIMUの放射化化学的収率の向上を目指し1)自動合成に適した標識合成条件の検討並びに2)自動合成装置の最適化の検討を行う。検討項目は、前駆体溶液量の最適化を主に行う。3)標識前駆体 HIMU・TFA の合成については、引き続きHPLCによる精製を行う。

次年度使用額が生じた理由

当初の目標より研究の進捗状況が遅れているため。

次年度使用額の使用計画

小額ではあるが、遅れている合成の最適化の検討の費用に充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] イメージングによる“がん”の治療効果予測 ―新規核医学診断薬([123I]IIMU)の臨床研究への歩み―2015

    • 著者名/発表者名
      久下 裕司,西嶋 剣一,大倉 一枝,志賀  哲,玉木 長良
    • 雑誌名

      Isotope News

      巻: 1 ページ: 16-20

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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