研究課題
マイクロバブル造影超音波は2007年より肝腫瘍、2012年から乳癌に保険適応されている。肝腫瘍では早期相での腫瘍内血管構築像と、クッパ-相での欠損部画像化により質的診断を得る、というように画像評価方法が確立されている。一方、乳癌でのマイクロバブル造影超音波の診断基準は血管構築の形態による良悪性の鑑別のための基準があるのみで、今後の課題となっている。マウスでの動物実験ではマイクロバブル造影超音波で血管密度を測定し、血管新生阻害薬の効果判定に有用であることを証明した報告はあるがin vivoでマイクロバブル造影効果の定量方法と病理での新生血管密度を対比し、臨床応用させた報告は少ない。定量方法は従来,time-intensity curve(TIC)法が行われてきたが,超音波の画像のintensity (色味)を使うことは,深さやgainの違いが影響するため信頼性が低い.我々は,new bubble detection法として,時間軸方向のピクセルの色味のvariationを閾値を用いて2値化し,バブルを検出する方法を確立した.検出したバブルは,腫瘤全体に対するバブルが検出された領域の面積比として算出される.マイクロバブル造影超音波画像の定量的解析方法と病理学的血管密度定量値の対比を行った.我々の方法は,血管密度と有意に相関し,相関係数は従来法のTIC法に比べ高値であることが確認された.本研究は,2016年度日本医学超音波学会総会において奨励賞を受賞した.
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Ultrasound Med Biol.
巻: 43 ページ: 607-614.
10.1016/j.ultrasmedbio.2016.11.009.