研究課題/領域番号 |
26461785
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
花岡 宏史 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (50361390)
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研究分担者 |
上原 知也 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (10323403)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 放射性医薬品・造影剤 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、「抗がん剤や放射線治療後の早期治療効果判定を可能とする高感度アポトーシスイメージング剤の開発」である。アポトーシスに伴い細胞表面に現れるホスファチジルセリンに親和性を有する低分子ペプチドを標的分子認識素子として選択し、放射性核種としては汎用性に優れたテクネチウム-99m(Tc-99m)を用いる。本研究では、新たな薬剤設計として、①標的分子認識素子(ペプチド)を複数有することで多価効果により親和性を向上、②99mTc錯体とペプチドとの間にリンカーを挿入することで体内動態を制御、という2つの戦略を用いることで、既存のタンパク質を母体とする薬剤よりも高感度にアポトーシスを検出可能な新規イメージング剤の開発を目指しており、本年度はイメージング剤に用いるのに適当な1価配位子の選定を目標として研究を行った。最適な1価配位子の選定が本研究課題が成功するかどうかの重要な要因であることから、様々な1価配位子を設計・合成し、評価する必要がある。1価配位子に用いるペプチドとしては当初の計画通り6残基のペプチド「LIKKPF」を選定した。リンカーとしては当初はβアラニンを想定していたが、Tc-99m錯体の形成反応の進みやすさおよび錯体の安定性を考慮して、短いユニットのエチレングリコール鎖やγアミノ酪酸(GABA)を有する1価配位子の合成も試みた。また1価配位子とホスファチジルセリンの親和性を検討することができる細胞を用いた評価系の確立も合わせて行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
目標とする1価配位子の合成が想定以上に難しく、合成段階での時間がかかっているため、様々な評価を行い1価配位子の選定をするところまでは至っていない。一方でホスファチジルセリンとの親和性を検討することが可能な細胞を用いた評価系についてはおよそ確立することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、引き続き1価配位子の設計と合成を行い、色々な1価配位子を得る予定である。その後Tc-99m標識を行い、インビトロおよびインビボにおける評価を行うことで、優れた1価配位子を選出する。続いて、選定された1価配位子で標識したイメージング剤のアポトーシス検出能を既存の薬剤と比較検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度中に、もう一度、分担研究者との研究打ち合わせを行う予定であったが、予定が合わず実施できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に研究打ち合わせ旅費として使用する予定である。
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