研究課題/領域番号 |
26461792
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高須 深雪 広島大学, 大学病院, 病院助教 (70565647)
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研究分担者 |
黒田 芳明 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (00625840)
粟井 和夫 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 教授 (30294573)
中西 一義 広島大学, 大学病院, 病院助教 (60403557)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 骨粗鬆症 |
研究実績の概要 |
ロコモーティブシンドロームのうち、骨粗鬆症性脊椎骨折は寝たきりにつながる重篤な病態であり、脊椎骨折リスク患者の層別化と発症予知対策の具体化が急務である。本研究は、64検出器CT検査を用いた有限要素法による骨脆弱性評価を目的とした多施設・前向き共同研究である。 対象: 原発性骨粗鬆症性脊椎椎体骨折:10人、続発性骨粗鬆症:80人、対照:10人施行した。対象症例の撮影:予定検査として行われるルーチンCT検査を利用した。 データ解析:3D骨梁構造計測ソフト3D-TRI/BON64により海綿骨骨梁解析を行った。各椎体中央で厚み1cm部分のデータから機械特性として、破壊荷重(八面体せん断応力Toct)、スティフネスを算出した。骨組織容積比、骨梁数、骨梁幅、骨梁間距離(Tb.Sp)、Structure Model Index(SMI)、Euler数、異方性度(DA)、フラクタル次元を算出し、海綿骨骨梁パラメータとした。 骨梁パラメータ・機械特性の正確性についての検討:μCTとのパラメータの比較:ヒト腰椎摘出標本を用い、μCT(東芝社製TOSCANER-30000)と比較し、パラメータの信頼性を検討した。CT装置間でのパラメータの比較:ヒト腰椎摘出標本を用い、MDCT装置間で比較検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
症例収集はおおむね順調である。平成25年度のデータを用い、多発性骨髄腫の骨折予測に関して第100回北米放射線学会にて報告した。骨梁解析、骨強度解析の結果は、第101回北米放射線学会で報告すべくMDCT間のパラメータ比較、解析法の差異の評価、続発性骨粗鬆症における骨梁パラメータ変化につき、3題を提出中である。MDCTとマイクロCTの比較について第13回骨形態計測学会にて発表した。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り、平成27~28年度に腰椎骨折、その他各患者群を追加撮影する。平成23~27年度に撮影・登録された患者の追跡撮影を、約1年で行う。対照が検査された場合も、同様の解析をする。統計処理:対象の解析に加え、各疾患別に対照・非骨折群・骨折群間を比較し、各疾患固有の骨折予測因子候補の有無を評価、決定する。平成21年度からの追跡期間中に新規発症した骨粗鬆症性腰椎骨折患者の解析を行い椎体骨折予測因子・寄与率・閾値を決定。付随解析としてMGUS/無症候性/症候性骨髄腫の比較:脊椎骨折発生予測=無症候性骨髄腫から症候性骨髄腫への移行を示す危険因子を決定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2回の海外発表について、体調不良にてビジネスクラスを使用したため、科研費より請求することは控えた。このため出張費の多くが未使用となった。骨梁解析ソフトウェアは短期集中で解析が進んだため、総費用が減少した。
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次年度使用額の使用計画 |
すでに予定されていた骨梁解析に含め、平成27年度より、縦断研究の対象となる解析が増加することが予想される。このため容積位置合わせ設定のためのソフトウェア使用料が増加する。出張費用、英文校正費用はこれまで通り使用する予定である。
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