研究課題/領域番号 |
26461795
|
研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
川瀬 良郎 香川大学, 医学部, 協力研究員 (60169729)
|
研究分担者 |
山本 由佳 香川大学, 医学部, 准教授 (30335872)
奥田 花江 香川大学, 医学部, 助教 (10437692)
西山 佳宏 香川大学, 医学部, 教授 (50263900)
土橋 浩章 香川大学, 医学部, 講師 (50380176)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | F-18 FDG / 炎症PET / 膠原病 / IgG4関連疾患 / 治療効果判定 |
研究実績の概要 |
癌の診断においてF-18 FDG PET検査は有用であるが炎症巣に集まることは偽陽性となり診断能の低下につながる。膠原病は様々な多臓器障害と免疫異常を特徴とし、非腫瘍性・非感染性の全身性炎症性疾患である。私共は全身性炎症性疾患である膠原病でF-18 FDGを用いてその炎症巣を検出することは非侵襲的で役立つと報告した(炎症PET検査)。 IgG4関連疾患の症状は病変部にリンパ球とIgG4陽性の形質細胞の著しい浸潤と線維化を来たし、腫大や結節による圧排や閉塞を来す。臓器浸潤は全身のあらゆる臓器に複数生じることがあり、臓器によって症状が多彩である。今回、F-18 FDG PET検査がIgG4関連疾患に有用か否かを検討した。 IgG4関連疾患と診断され、F-18 FDG PET/CTを治療前後に施行した11症例、22検査を対象とした。F-18 FDG PET/CTで視覚的な異常集積部位数、半定量的指標として病変部の最大SUV値を測定した。またSUV値と血清IgG4値、sIL-2R値との関連を検討した。治療前PETで視覚的に異常集積を認めた部位は37箇所、治療後PETでは14箇所であった。治療後SUV(平均値±SD)は3.02±1.08で、治療前SUV(6.80±2.29)と比べ有意に低値を示した(p<0.001)。SUV値と血清IgG4値、sIL-2R値との間には有意な相関はみられなかった。IgG4関連疾患の診断において、F-18 FDG PET/CTは病変の広がりの把握に有用であり、また病変のSUV値は治療後有意に低下した。
|